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わたしのともしび 即興1
08:38
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ようこそ
ここは どこだろう
遠いところ
ようこそ いらっしゃいました
寒い中 ようこそ
ここは地球
ここは銀河系 ここは太陽系
ここは尾道
ここは北半球 ここはアジア
ここは日本 ここは広島県
尾道
その駅のそばの ハライソ珈琲
下は地面 ずっと下は 核やマントル
まあ 顕微鏡で見れば
みんな同じ分子
同じように回る
回転している 粒の1つ
その中の
ほら あれが
あれがパンタグラフ
あれが自動販売機
あれが券売機 あれが自動改札
あれがセンターライン
あれが古びた鉄柵
あれが錆びたブランコ
今うたっているのは
わたしがうたっているわけじゃなく
目の前の魂がうたっているうた
わたしがうたっているわけじゃないから
安心のうた
これは安心のうた
これは祝福のうた
これはよろこびのうた
なぜなら魂と骨と血と筋肉と
それらがうたっているから
これは安心のうた
あれが電信柱
あれが今日の三日月
ほら 耳を澄まして
向島の海の音
三原に着く船の音
誰かがマフラー巻き直す音
遠くで氷の割れる音
いただきますって言う音
箸を置く音
お茶を飲む音
手紙に封をする音
その手紙が郵便ポストに落ちる音
郵便屋さんが運ぶ音
夜は遠くまで響く
貨物列車の音
川の上 橋の上 響く
貨物列車の音
その音を聞きながら
赤く錆びた鎖を握って
ブランコをこぐ
朝までブランコをこいでいる
赤く錆びたブランコをこいでいる
手にまで赤サビがついている
赤サビのワルツ
赤サビのワルツを月と踊る
川の上 橋の上では
電車が走る
夜は遠くまで届く
夜は遠くまで聴こえる
ようこそ 地球へようこそ
遠いところ 寒い中
ようこそ
このうたはあなたがうたっている
あなたの魂のうた
だからこれは
安心のうた
あなたの明日の安心のうた
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2. |
ニライカナイのうた
05:58
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帰る 明日は本島へ
たき火も今日が最後
眠りたくないね
もう少し起きていよう
ねえ ギター弾いて
弾いていないんだよ
もう2年も3年も
すごくヘタなんだよ
だめなんだよ
きみの体をすりぬけたり
着ることだって できそうだ
アダンの葉っぱをむしりながら
ただ見ていた
眠くなるまで
あれがニライカナイ?
いや あれは那覇市だよ
細い線のとこ
あれは那覇市だよ
あんなに怖かった海が
あんなに怖かった人が
砂といっしょに 揺れている
当たり前に 光ってる
上も下もない
空中みたいなもの
上も下もない
空中みたいだよ
赤い花が咲く前に
船に乗った
苦手だけど写真を撮って
手紙書くよって
別れた
あれがニライカナイ?
いや あれは那覇市だよ
細い線のとこ
あれは那覇市だよ
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3. |
空にスカート
11:14
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芝居になってない
時代に合ってない
響くは靴の音か 声か
廊下に響き渡ってる
稀代のおっかない山高帽
笑顔の下に隠してる
おっと その先は・・
さあ 中へ
お代は見てのお帰りよ
見てごらん 空にスカート
みどり色の
見渡せ 踊れ 舵をとれ
きみにこいつをさずけよう
落花生でできている
宇宙の果てまで行ける船
晴れて今日は
船出によい日和
夢からさめて思い出した
花火のような顔
石を落とした帰り道
声は今 途絶えている
ピック落とした帰り道
影も形もない人に会う
見てごらん 空にスカート
途切れないでまわってる
夢からさめて思い出した
あれは 希望という名前
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4. |
読みかけの本(仮)
04:46
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読みかけの本を手に
ひとりぼっちで どぶさらって
沸かした風呂で思い出す
雨の降る日が好きだった
外で遊ばなくていいから
誰も誘いにこないから
猫が網戸を開けるまで
読みかけの本を手に
歩き回ってしたり顔
鳥の声 どこで聞こえる
(ひとりで過ごすことから
生まれた たくさんのこと
ひとりで 開けたドアの奥
洞窟で遊ぼう)
ひとりで過ごすことから
生まれたたくさんのことはあるが
もうわたしは
あなたとうたいたい
あなたといっしょにうたいたい
ひとりで過ごすことから
生まれたうたに囲まれ
もう でも わたしは
あなたと踊りたい
あなたとうたいたい
読みかけの本がある
腕の中に ここにある
沸かしたお湯で思い出す
雨上がりが好きだった
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5. |
わっかの月
02:58
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自転車できみを呼びに行こう
だって今日はこんな空
きみも見てるかどうか
心配なのさ
わっかの月 見つけたよ
見に行こう
斐伊川沿いの土手が1番いい
( YES。の上の屋上からが
きっと1番いい)
静かに待とうね
雲がきれるよ
自転車できみを呼びに行こう
だって今日はこんな空
きみも見てるかどうか
心配なのさ
きみに会ったら
「わっかの月 見つけた」
って言うんだ
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6. |
あぶくのうた
07:25
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きこえた
そばから消える
見えた
そばから消える
あぶくのように
惜しげなく
はかなさの
かけらも見せない
光を
集めて飛ぶのかと
尋ねた
答えのかわりに
あたらしい
変わらない
てのひらの
まあるいもの
SOS 届かない時も
きこえた
このてのひらに
包み込みたい
トゲよりも
お団子にして
食べてしまおう
甘えた思惑よ 消え去れ
集まれ
すべてはここにある
わたしはここにいる
揺れている
見えないもの
あの木は
即ち わたしだよ
あなたは
即ち わたしだよ
きこえる?
ここにいる
てのひらの
消えないもの
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7. |
絵を描こう
04:36
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人間の世界に暮らす不安を
かたちで色で線で描こう
自転車は猛スピードで走る
絵の具も筆も落ちて行く
人間の世界に暮らす不安を
薬でまぎらすような夜は
自転車を猛スピードでこいで
自分は前世ごと消えていく
気が狂うなんてかなしいことだな
でも正気でいられるかな
まだ大丈夫 まだ大丈夫
思ったよりも簡単だった
電信柱とアスファルトと
景色をけって進んでいく
自転車は今は宙に浮いて
橋の上で考えている
気が狂うなんてかなしいことだな
でも正気でいられるかな
あんなこと聞かされて
正気でいられるか
薬かなんか必要だろ
人間の世界に暮らす不安を
かたちで色で線で描こう
なんにも別にいらないだろ
鉛筆1本あればいい
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8. |
わたしのともしび 即興2
07:10
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ここへ来るまで
恐怖・不安・利己的な考え方
投げ捨ててやって来たつもり
でも途中で
ちゃんと歌おうとした途端に
声もよく出なくなる
そういうもんだろうね
だから言っただろうって聞こえてきたよ
今日はおまえ どいときな、俺が歌う
いや、わしが歌う、つって今日は
たのもしいわたしの中のかみさまがうたう日だった
それでも
どけ、わたしも歌いたいって
顔を出した 幼稚なわたしもいた
だからね
笑い声がとても救い
笑い声こそが歌声だったよ
逆らう声こそが
美しい歌声
言うこと聞かないでね
大人の言うこと聞かないで
大人の言うことたいてい間違ってるから
あなたの目を信じてね
あなたのうたをうたってね
誰がなんと言おうと
誰に咎められようと
誰に足を引っ張られようと
誰がタックルしてきて止めようとしても
あなたは歩き出す
2ステップ 3ステップ
自由な踊りを踊る
誰にも習わず はじめから知ってる
その踊りを
太陽に向かって
自分自身が
太陽みたいな
あなたが歌い出す
あなたが歌い出せば
雨も上がるし
いい風が吹く
うたってね
誰がなんと言おうと
走り出して
逃げ続けてね
そこにはもう逃げなくていい世界が
待ってるよ
まるい、円みたいな
もう円って概念もない世界
自由に生きれば生きるほど
よくやったね
ってほめられる世界
行こうね
たくさん笑ってね
笑うところには不幸は来ないらしいよ
(はるが言ってた)
うたってね
踊ってね
いっぱい怪我して
いっぱい病気して
元気に生きていくんだ
生きて、死んで
まるい輪っかになって
エネルギー体になって
溶けあって
もう身体なんかいらねえ つって
身体脱ぎ捨てて
太陽みたいに
また溶け合って
溶け合ってた
身体を持ってた
身体を持ちながらも溶け合ってた頃を思い出しながら
また ひと踊り
それはきっと
雨になったり 風になったり
光の粒になって
米を育てたりして
ずっと巡る
たぶんね
あなたが歌えば
あなたが
ふりほどいて
この世は美しいとうたえば
美しいと
うたえば
見てるからね
きこえてるからね
ちゃんときこえてるからね
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